好きな子の靴の臭いをかぎたい

このブログは自由の象徴です。革命の際はご自由に引用ください。

ホテルの現場マンは泣いてます。

コロナってヤバイ

2020年初頭から始まり、もう12月だというのに未だに毎日何百人もの感染者を出し続けているcovid-19さん。

3月くらいから予約が落ち込み稼働率一桁%、出勤してもなんもやることないし命を懸けてネットサーフィンしに会社に行ってました。

2020年の最初の方はみんな「コロナやばい!毎日人死んでる!家から出たらやばい!」って思ってたのか、stay homeっつって家に引きこもってたような気もするし、出勤の電車はスカスカでした。(僕は基本夜勤なのでスカスカなのは昼過ぎに電車乗ってたのもあるかもしれない)

3月末には志村けんがコロナで死に、さらにstay homeに拍車がかかりました。

twitterのオタクたちはテレワークに移行しだしたし、みんな家の環境を整えだしたし、旅行に行こうと思ってた人はあんまりいなかったと思います。(一部では京都が人いなさすぎでアツイ!というツイートも見かけましたが)

みんなコロナにかかるまいという意思がありました。

 

突然の旅行イケイケ作戦「gotoトラベル」

ところが、人々が旅行しないとなるとダメージを受けるのは観光業。

僕もホテルで働いているので身をもって感じていましたが、3月からは本当に予約が入ってなくて、出勤するたびに世界暇長者番付トップを出勤者で独占していました。

現場マン的には暇なのはウェルカムなのですが、経営陣は非常に苦しかったと思います。

毎日の売り上げが数万、数十万の世界で宝くじ買った方がワンチャン儲けられるのでは?と思わずにはいられない赤字具合でした。

そんな状況をまずいと思った政府は旅行を促すgotoトラベルなる「え?それ今やる?」みたいな宿泊代金割引策を7/22から施行しました。

gotoやるよ!って発表があったとき、僕は「マジで言うてる?」と思いました。

だってついこないだまでstay home!外出は悪!外出ると死ぬ!くらいの勢いで外出規制もしてたし、県をまたぐ移動はやめろ!って偉い人が言ってたのに、今度はみんな旅行行こう!観光業を助けよう!って言いだしたんですよ。あたおかでしょ。

しかしこれは杞憂だったわけで、gotoトラベルが始まったところで予約はたいして伸びませんでした。

オンライントラベルエージェント(一休とか楽天とか)は自社サイトからgoto使った予約を作るシステム構築に時間がかかってよーいどん!では始まらなかったし、gotoトラベル申請サイトのstaynaviは登録ホテルの承認が間に合っておらず、だいたいのホテルは宿泊終了後に事後申請でゲストがgotoトラベル事務局に領収証と宿泊証明書を送り付けて、還元してもらうという流れでした。

これ宿泊代金の35%分還元を受けられるのはいいんですが、いかんせん手続きがめちゃくちゃ面倒くさいわけです。

しかも一緒に出すよ!って言われてた15%分還元の地域共通クーポンは10/1から配布と、9月までに予約して旅行した人は一部しか恩恵を受けられない状態だった為、そこまで「じゃあ旅行に行こうかな」となる人は少なかったと思います。

 

10/1からクーポン配布が始まってしまった

そんなこんなで結局暇なまま9月も適当に仕事していたのですが、いよいよ10月になり地域共通クーポンの配布が始まりました。

浅はかな僕は「まあどうせそんなに人来おへんやろハハハ(鼻ホジホジ)」と思っていたのですが、予想とは裏腹に予約がしこたま入ってきました。

半年ぬるま湯につかって仕事していたので、いきなり稼働率70%とか80%になられても困ります。

僕と仲間たちはヒィヒィ言いながら働きました。

ここで賢い皆さんは「稼働率上がったからとは言うもののコロナ前に戻っただけじゃないの?」とお考えかもしれません。

数字的に見ればそうなのですが、gotoトラベルのオペレーションがここに乗っかってきていて、しかもこれがめちゃくちゃ複雑かつ膨大な量の仕事量で以前とは比べ物にならないくらい忙しかったです。

まず、クーポン発行に死ぬほど時間がかかります。

一泊なら3~4枚渡せば終わるので割とすぐ終わるんですが、3泊とか4泊だとチェックインの時に20枚30枚発行しなければならず、しかも1枚1枚に有効期限印を押し、1枚1枚を専用のアプリで読み取り、さらには1枚1枚に書かれている管理番号を控えなければなりませんでした。

本当に苦痛です。

今でこそクーポン配布開始から2ヶ月が経ち、オペレーションも練られてますので幾分かはましになりました(日付印は印刷でよくなったとか、クーポンを全部事前準備にしたとか)が、開始当時はクーポンのせいでチェックインに時間がかかりロビーにチェックイン待ちの長蛇の列ができていたり(ものすごい密です!)、gotoトラベルの存在を知らないゲストがチェックアウトの時にgotoトラベルって使えますか?って聞いてきたり(原則チェックイン日の23:59までの手続きが必要なのでチェックアウトの時に言われても使えませんとしか答えられません。ちなみにこのゲストにはめちゃくちゃ怒られました。「なんでチェックインの時に言わへんねん!」だそうです。ホテル的には部屋代安くなっちゃうし死ぬほど手間なので言いたくないです。)、gotoトラベルのことを根掘り葉掘り聞かれたり(インターネットで検索しろ!)、本当に出勤するのが嫌で嫌で仕方がなかったです。

正直コロナで給料減ってるのに仕事だけバカみたいに増えて理不尽です。早く終われ。

 

僕らは旅行行けないけど

このgotoトラベルとかいうムカつく施策の一番ムカつくポイントは、僕らホテルスタッフが利用できないところです。

利用できないという言い方は語弊がありますが、実際ほぼ利用できないと言っても過言ではありません。

僕はgotoトラベルにムカつき散らしてるので終わるまでに一回は使ったろうと思っていますが、いかんせん休みがない。

旅行に行くほど連休が取れないし、旅行に行けるほど給料もらってません。

終わりです。

そもそも旅行に行った先で、もしコロナに感染したらホテルはクローズになります。

一人のせいで運営できなくなる責任感やばくないですか?

無理です、旅行なんか行ってられません。

嘘です、行けたら行きます。

クローズしたら休み放題なので。

でも僕が一番最初の感染者は嫌なので、誰かかかっといてほしいです(ゴミカス)。

まあでも行けたらってレベルで、行こう!とは思えないです。

感染して肺炎とかになるのは怖いですからね。

 

結局gotoトラベルって

今このブログを書いてる時点で大阪市と札幌市はgoto対象外になっており、さらにはgotoの2ヶ月停止も噂されています。

「じゃあ最初からやるなよ...」とは別に今更思いませんが、やるならやるで負担が増える現場の人間にも手当出すとか、そういう予算の組み方をしてほしかったです。

今になって「感染者増えてきたからやっぱgotoやめよ!」で済む話ではないんです。

土日にどこかしらの高級ホテル(任意のホテルではないのは、gotoは安いホテルに人が集まるのではなく、普段行かないようなハイグレードホテルに手が出るくらいの値下げが期待できる割引施策のため高級ホテルと書きました)に行けばわかると思いますが、あれでコロナに感染しない方がおかしいです。

いくらホテル側が感染対策あれこれやってますと言っても、限度があります。

今までクラスターが発生してなかったのは単に運が良かっただけで、これからも発生しないとは言い切れないし、現にどっかの旅館でクラスター出てます。

こんな状態なのに旅行に行こうと思ってる人、落ち着いてほしいです。

 ついこないだまでstay homeを掲げてたじゃないですか。自粛警察って言葉も生まれたくらいですやん。

これは単純に僕が忙しいから言っているのではなく(8割くらいはそうですが)、gotoあるからって旅行するといつまで経ってもコロナが終息しないよって話です。

「観光業が打撃を受けたから再生を促そう」は今じゃないんです。

みんながじっとしてたらもっと早く終わるかもしれないじゃないですか。

コロナが終わってからマスクなしで快適に気持ちよく旅行しましょうよ。

 ホテルの一従業員として、コロナは早く終わってほしいし、gotoトラベルも早く終わってほしいです。

現場からは以上です。